4月の課題図書 加藤千恵さんの『あかねさす』

4月の書評会は、東京・渋谷の人気スポットであり、1周年を迎えたばかりの複合商業施設「ヒカリエ」のカフェ「シアターテーブル」で開催しました。

今回は、わたくし、部長の高倉がリポートさせていただきます!
なお、公式カメラマンの上重泰秀さんが渋谷の街でかっこいいポートレートを撮ってくれましたので、併せてご覧ください。(c:Yasuhide Joju)

▼4月の課題図書はこちら。作家であり歌人でもある、加藤千恵さんの『あかねさす 新古今恋物語』(河出書房新社、1365円、装画:おかざき真里)です。
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紫式部、和泉式部、藤原定家、在原業平、菅原道真ら、平安の歌人たちが詠んだ20首にインスパイアされた20編のショートストーリー+20首の短歌で構成されています。

帯にはこんな言葉が書かれています。
「恋する想いは、今も昔も変わらない。みやびな20首の“恋歌”から生まれた、現代の恋物語」。

さて、メンバーたちはどう読んだのでしょうか?

▼まず、副部長の麻田江里子さんが短歌の定義を語ってくれました。
編集者の彼女、短歌雑誌の編集長でもある上司に取材してくれたそうです。
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「短歌はご存じの通り、5・7・5・7・7の5句31字で構成される1300年以上の歴史を持つ定形叙情詩です。俳句のように季語や切れ字がないのが特徴で、自由に作ることができるのが魅力ですね。昔の人は自分の気持ちを伝えるラブレターのように詠んでいました。ツイッターの原型なのかもしれません」

ふむふむ。なるほどー!

確かに、140字という制限されたなかで気持ちをつづるツイッターと近しいものがあるかも!
さらに麻田さんの感想は……。

「加藤さんがあとがきにも書いているように、千年以上昔の人たちが、2010年代の私たちと同じように“恋”に悩んでいます。かなわない思いに切なさを感じたり、愛情あまって憎々しく思ったり、少し感傷的になって自分に酔ってみたり……。どんなにSNSが発達して人とつながれるようになったって、飛行機ができて海外にすぐ飛んでいけるようになったって、私たちのやまいは変わらないのです。その事実にもどかしさも感じるけれど、励まされもするような気がします。私たちは何も失っていないのだと。恋による心のざわつきこそが、生きている証しであるような気がします」

▼続いて、臼井由美さん。
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「どの話も短いなかにも“胸にきゅんとくる”メッセージが盛り込まれていて、もう少し続きが読みたいと思いました。でも、この長さだからこその魅力も十分に味わえたし、今も昔も変わらぬ想いを短歌ですり合わせるという試みにワクワクしながら読めた1冊です。変換すると“濃い”が最初に出てきてしまう主婦の頭のなかに新鮮な風が吹き、久々に“恋”というキーワードを楽しませてもらいました」

いろんな意見が飛び交うのが、書評会のよいところ!
ちなみに、加藤千恵さんと取材でお会いしたとき、こんなことをおっしゃっていたのが印象的でした。

「私は作家ではあるけれど、チームで1冊の本を作っているという感覚なんです。これまで書いた小説も、別の編集者だったらまったく違う物語になったんじゃないかと思います」

編集担当のTさん(以前、取材でお世話になったことがあります)との化学反応で、きっとこの作品もできたのでしょうね。

▼さて、続いては涌井香織さん。遅れてきたため、ポートレート撮影に間に合わなかったのが残念!(ちなみに撮影は高倉が担当しました)
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「しばらく忘れていた純粋なときめきとか、甘酸っぱい感情を思い出した。恋愛の形はいろいろあるけど、なんというかタイミングとか、ほんの少しの行き違いでうまくいかなくなったり、小さな思いやりが相手をつなぎとめていたり……。恋愛の感情は自由であるからこそ、さまざまなドラマが生まれるのでしょう」

▼最後に、私、部長の高倉優子です。
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「片思い、両思い、倦怠期、別れたあと、結婚、不倫――。いろんな形の、いろんな恋愛。そこにあるのはひとりよがりだったり、自分勝手な感情だったり。方程式では解けなくて、マニュアル通りにはいかなくて、相手によって反応が違ってきて、たとえオトナと呼ばれる年齢になっていても自制できないもの。だからこそ、恋愛は楽しいし、恐ろしいのだとつくづく思います。想いを伝える手段が、手紙からメールやSNSに変わっても、誰かを愛しく思って泣いてみたり、狂ってみたりするさまは、今も昔も変わらないんですよね」


思えば、ど真ん中の「恋愛」をテーマにしたのは初めてだったかも? メンバーたちの恋愛観を聞くのは、楽しかったです。

いつかど真ん中の恋愛小説も読んでみたいと思います!
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by girls-book | 2013-06-19 23:50 | 活動日誌

OL、経営者、整理収納アドバイザー、編集者、ライターなど。読書好きのメンバーが不定期で東京のカフェやレストランに集まり、1冊の課題本について座談会スタイルで語り合っています。題して「本のある女子会」。


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